日光浴と肌の健康

ナシュロパシーでは日光浴を推奨しますが、その大きな理由には、太陽の光が生命に欠かせないものであることが挙げられます。例えば、植物が光合成でエネルギー代謝を促して成長や生命を維持することは、誰もが知るところです。人間の場合、日光は皮膚を通して吸収され、私たちに必要なビタミンDの合成を促しますが(1)、日焼け止めを使用すると、紫外線とともにビタミンD合成もブロックされます。また、朝の明るい日差しによってセロトニン(通称「ハッピー・ホルモン」)が増え、夜の暗い時間帯になると眠りのホルモンとして知られる、メラトニンが合成されるなど(2)、日光と健康の関係は切り離せません。もちろん、過度の紫外線は肌へのダメージを大きくし、皮膚がんの原因にもなるので適度を保つことが必要です。

日光浴でしあわせな気分にひたりつつも、紫外線による皮膚へのダメージが気になるところ。日焼け止めといっても、クオリティや安全度にかなりの幅があるようです。なかには安全性の心配されるものなども販売されているので、まずその成分や添加物などをチェックして安全性を確認しましょう。

一般的な紫外線対策に使われる日焼け止めの成分は、大きく紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の二種類に分かれます。紫外線散乱剤は、ミネラル成分(金属)が肌を覆って紫外線を反射または拡散するもの。紫外線吸収剤配合の日焼け止めは、化学成分によるもの。皮膚から吸収されて体内に蓄積された場合には、皮膚がんや胎児への毒性などの危険性を伴うため、安全値の見直しが問われているようです。一般に出回る紫外線吸収剤配合の商品4種を使用し、7日間にわたるテストを実施した調査では、テスト初日の塗布4回で、早くも調査参加者全員の血液から許容値を超える紫外線吸収剤の化学成分が検出され、その安全性が問われる結果となりました。もちろん、これらの商品は全て使用の化学成分が安全とされる基準を満たしているもの。また、各グループに副作用で湿疹を伴う人がいたため、紫外線吸収剤による皮膚への刺激性も懸念されます。(3)

ちなみに、この調査で使用した商品に含まれる4つの化学成分は、Avobenzone(アボベンゾン)、Oxybenzone(オキシベンゾン)、Octocrylene(オクトクリレン)、Ecamsule(エカムスル)です。 日焼け止め商品購入の際には、原材料名をチェックしてみてください。

紫外線が防げても、その他の害を伴うなら問題です。例えば、経口で体内に入った毒物は、ある程度肝臓で代謝処理され尿や便となって排出されますが、皮膚吸収の場合、皮膚から直接血液循環に入り全身に回ります。そのため、スキンケア商品は体内の健康とも深く関係しますが、皮膚吸収によって薬品が体内に入るルートは案外見落とされがちです。国により薬品の規制基準が異なるので、肌につけるものは日焼け止めに限らず、下調べをして可能な限り安全な商品を選ぶようお勧めします。

ナチュラル・ヘルスの領域では、毒性が心配される化学成分を避け、安全な商品を探すことや、体内から皮膚を保護し肌の健康を保つというアプローチも対策として有効です(4,5)。新鮮な野菜や果物などから得られる各種の抗酸化物質は、日焼けによるダメージを抑えます(4)。また、ポリフェノール含有食品として知られるカカオの摂取も、紫外線から肌を守り皮膚の老化予防に有効なのだそうです(5)。ダーク・チョコレートが好きな人には朗報かもしれませんね。

by ナチュロパシー・ジャパン/ゆり子

 

参照:

  1. Holick, M. (2016). ‘Biological Effects of Sunlight, Ultraviolet Radiation, Visible Light, Infrared Radiation and Vitamin D for Health’, Anticancer Research, 36:1345-1356.
  2. M, Nathaniel Mead. (2008). ‘Benefits of Sunlight’, Environmental Health Perspectives, 116(4):A161-A167.
  3. Matta M, et al. (2019). ‘Effect of Sunscreen Application Under Maximal Use Conditions on Plasma Concentration of Sunscreen Active Ingredients’, JAMA, 321(21); 2082-2091. doi:10.1001/jama.2019/5586
  4. Petruk G, at al. (2018). ‘Antioxidants from Plants Protect against Skin Photoaging’, Oxidative Medicine and Cellular Longevity. doi:10.1155/2018/1454936
  5. Heinrich U, at al. (2006). ‘ Long-Term Ingestion of High Flavanol Cocoa Provides Photoprotection against UV-Induced Erythema and Improves Skin Condition in Women’, American Society for Nutrition, 1565-1569.