マインド・ザ・ギャップ

メンタル・ヘルスの基準を知っていますか?

一般に認識されている「メンタル」は、こころ・感情・心理・思考すべてを指し、日々の生活において、行動や選択、コミュニケーションなどを司っています。では、そのメンタルが健康であるというのは、いったいどのような状態なのでしょうか?

前回では、WHOの健康そのものの定義にふれましたが、メンタル・ヘルスは次のように定義されています。

『Mental health is defined as a state of well-being in which every individual realizes his or her own potential, can cope with the normal stresses of life, can work productively and fruitfully, and is able to make a contribution to her or his community.(1)
「メンタル・ヘルスを構成する要素とは、各個人がそれぞれの持ち備える可能性を見据え、日々のストレスに対処しながら生産的な生活を営むことができる良好な状態。また、この良好状態のもと、コミュニティへの貢献が可能であること。」

私たち、ナチュロパシー・ジャパンでは、健康におけるあらゆる面でオプチマム・レベルを目指すため、上記WHOの定義に加え、各個人が持つクリエイティヴィティへの気づきやそれを表現すること、思い描いた人生をデザインしていくスキル、また、自然や他者との繋がりを感じるこころを持つことなども、メンタル・ヘルスに必要な要素としてみています。

では実際、どのようにメンタルの健康をケアしていけばよいのでしょうか?

多くの人が、メンタルの不調を解消するために、心療内科やカウンセリングに行くことを検討するのではないでしょうか。
心を曇らせて、毎日を楽しめなくしている悩みやそれに伴う感情を、第三者に話して受け止めてもらう、というのはそれだけでこころが軽くなります。また、心理の仕組みを説明されることで、悩みの解決に大きく前進できたり、医師からの投薬治療によって苦しい状態から抜け出せ、それが健康を取り戻すきっかけになることも可能でしょう。認知行動療法をもとにした、マインドフルネス瞑想や呼吸法を勧める心療クリニックも増えてきています。

認知の歪みに気付くことや過去のトラウマに取り組むことなど、心理療法的側面をみることは、カウンセリングの軸となりますが、長年のカウンセリングの臨床経験から、上記に加えたいのが、メンタルの、こころとからだの相関関係に注目し、問題の部分と複雑に繋がっている全体像をみること。そして食生活・睡眠・アクティビティ・生活環境の改善など、ライフスタイルのバランスを整えること。これらは、相乗効果でメンタル面の改善も促すため、より早く健康な状態に導くための不可欠要素といえます。
こころとからだ、そして環境すべての間にギャップ(隙間)がなく関連し合い、相互に機能、影響し合うということに着目する、まさに「マインド・ザ・ギャップ」です。

新しい展開を迎えるメンタル・ヘルス・ケア

ここ数十年のうちに、脳機能と腸神経系や腸内環境が切り離せない関係にあることが明らかになり、 「腸は第二の脳」として認識されています。そのため近年では、腸の健康とは無縁のポジションでも、食事指導や生活環境の改善などを積極的に取り入れ、今まで臨床で素通りだったギャップ部分を埋めようとする医師や専門家が増えてきています。また、精神に影響する腸内細菌「サイコバイオティックス」や、メンタルとからだの直接的な相関関係に基づく「精神神経免疫学(psychoneuroimmunology) 」、神経やホルモンとからだの関係に基づく「神経内分泌学(neuroendocrinology)」といった領域の研究では、まだまだ未知数の部分が大きいため、今後の動きには目が離せません。

ナチュロパシー・ジャパンでは、このような興味深い領域の最新情報提供とともに、毎日こころを快適な状態にするためのヒントなども、お伝えしていきます。


(引用)
1.
WHO. (2014). Mental health: a state of well-being. Available at:
http://www.who.int/features/factfiles/mental_health/en/ (Accessed: 12 November 2018).